翻訳あれこれ

第3回:翻訳に役立つ参考書(3)

技術英文表現辞典 和英編 (小林一未著) インタープレス版 IPC

翻訳、特に技術翻訳を学習する上で必要なことは、実際の技術者が現場でどのような英語や日本語を使っているかを覚えることです。つまり、技術英語の専門的なや用語および表現を使いこなせるようになることが求められます。例えば、「当たり」とは何か。「傷」とは?現場で技術者たちが使用しているこれらの用語は、どのような意味であり、英語ではなんと言うのか。さらに「当たりを避ける」という場合の[避ける」という動詞はavoidでよいのか。

こうした、本物の技術英語の用語と表現例を集めたのが本書です。用例が豊富なだけではなく、専門用語に関する具体的な説明もあり、機械や電気関連の技術翻訳を始めるには、必須の文献です。 本書の前身は、工業英語別冊「和英必須用語活用辞典」であり、1975年に出版されています。英文マニュアルの実例が掲載されており、非常に役に立ちます。当時は実際の英語マニュアルが簡単には入手できない時代でしたから、なまの英語マニュアルは貴重な資料でした。「不具合」「切り欠き」「合わせ面」など、技術関連辞書もそれほど多くはない時代でしたから、著者のご苦労がしのばれる労作です。

翻訳をしていて、苦労するのは、専門用語そのものよりも、その単語〔多くの場合は名詞)をどのように使用するのかが分からないことです。 学習辞書では学べない、本物の技術英語が多数収録された本書を利用すれば、プロの翻訳に近づくことができます。

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